【由緒】
大國魂神社は大國魂大神を武蔵国の護り神としてお祀りした社です。
この大神は、出雲の国の大国主神と御同神で、大昔武蔵国を開き、人民に衣食住の道を教え、又医療法や、まじないの術も授けられた御方で、俗に福神又は縁結びの神として著名です。
当社の創立は、景行天皇四十一年(西暦111年)(約1900年前)五月五日で、当時は武蔵国造が代々に奉仕しましたが、大化の改新によって、武蔵国府がこの地に置かれたので
国司が国造に代わって奉仕するようになり、管内神社の祭典を行う便宜上、武蔵国中の神社を一カ所に集めてお祀りしました。
是が武蔵総社といわれる起源です。なお左右の相殿に、国内著名の神社六社を合祀したので、六所宮とも称せられるようになりました。
鎌倉幕府並びに北条・足利両氏も篤く崇敬しましたが、徳川家康が江戸に幕府を開くと共に殊に崇敬の誠を尽くし、神領地五百石を寄進せられました。
明治維新に準勅祭社となり、同七年県社に、同十八年官弊小社に列せられました。
当社は昔より崇敬者が非常に多く、武蔵国は勿論関東一帯にわたり、毎年五月五日の例大祭には、夜間八基の神輿が古式の行列を整え、闇夜に御旅所へ渡御するので、俗に府中の
「暗夜祭(くらやみまつり)」といわれ非常に賑わいます。
現在では神輿渡御は夕刻六時より行われます。