布須神社と釜石
▼ 布須神社(2010.10.12)雲南市木次町の布須神社の紹介です。ここは本殿がなく室山を崇拝する神奈備式の神社です。室山は須佐之男命が八岐大蛇を退治するときに御座所(御室)を設けられ、八塩折の酒を釜石にてつくられた伝説の地です。そのためご神体=室山となっています。 途中から舗装がとぎれて砂利道に。 倒木が道をふさいでいる。 拝殿から見る 裏は急斜面になっている。 御室山 布須神社由緒記 【鎮座地】 大原郡木次町大字宇谷三六七番地 【御祭神】 須佐之男命 稲田姫命 【社殿】 本殿なし 神奈備式玉垣一坪 拝殿十坪 平成七年十一月改建造 建立の年代は不詳、当社は延喜式に記載のお社で出雲国風土記にいう布須社である。 昔から人々に室山さんと呼ばれて崇拝されている。 風土記には「神須佐乃乎命御室令造給所宿給故云御室」と記されている。 神代の昔須佐之男命が八岐の大蛇を退治されたときに「八塩折の酒」を造らせられ御室(神の御座所)を設けられた所であるという。 神社は室山の南半腹に造営されており、大古から御本殿はなく室山そのものをご神体として崇拝する「神奈備」式のお社である。 社記によれば文徳天皇の御代(八五〇年ごろ)に正六位上の社格を授けられ、延喜式(九二七年)には官弊社に列せられるなど神格の高い神社で、近在近郷の人々から崇敬されてきた。 その後社頭は荒廃したままになっていたが治承年中(一一八〇年ごろ)に多くの石を積んで祠を造営し、弊を捧げて玉垣で囲み敬拝したと記されている。 今も昔ながらの野社であるが、玉垣の台石に 御室山 布須神社 □□長一 建九二年九月(一一九一年) の文字が記されている。 神社の麓には「釜石」といわれる神石があり、須佐之男命がここで酒を造られたものという言い伝えがある。 また室山の裏側には「寺床」とよばれる場所があり平安時代の初期から鎌倉時代(八〇〇から一三〇〇年ごろ)にはここに「四十二坊」があって山岳佛教として栄えていたと伝えられ今も昔の根跡をとどめる石の階段などが往時を物語っている。 拝殿の真下あたりの斜面に釜石がある お釜のような形だ。 鎮座地:雲南市木次町宇谷367番地 |