今回は雲南市加茂町の貴船神社(きふねじんじゃ)の紹介です。
雲南市加茂町54号線の赤川から南へ300mほど進んだ小山に鎮座します。
京都にある貴船神社の御分社で、500社あるうちのひとつだそうです。宮司さんや氏子さんが京都の本宮の貴船祭に30年以上も参詣されていて、そのことが本宮のホームページにも紹介されています。
以下は、本宮の御由緒から抜粋した文章です。「おかみ」は雨かんむりに口が三つ、下に龍と書きます。
【御祭神】
高龗(おかみ)神(たかおかみのかみ)
本宮は高龗(おかみ)神、奥宮は闇龗(おかみ)神(くらおかみのかみ)が祀られているとも伝えられていますが、社記には「呼び名は違っても同じ神なり」と記されています。
水を司る神様。降雨、止雨を司り、降った雨を地中に蓄えて適量湧き出させる働きを司る神様。水は万物の命の源であり、水がなければあらゆる生物は命を維持することができません。
片時もおろそかにすることができない大切な水を供給する水源の神さまです。
本殿向かって左側に樫の大木が祀ってある「木山神社」が鎮座します。巨木の根の部分が鳥居を包み込んで一体化しようとしていました。周囲も他の場所より薄暗く、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
以下は木山神社の御由緒です。境内の案内より抜粋しています。
【木山天王稲荷八天狗社】
通称 木山神社(木山さん)
ご祭神
素盞鳴尊 倉稲魂神
古くから「木山さん」と呼ばれる社で、本来農業の守護神として信仰されているが、特に「下病(しもやまい)」(夜尿症、性病など)に霊験があらたかなことから、町内外からの参拝者があります。
ご神木の樫ノ木は、根廻り8・1メートル、胸高周囲・4メートルの「シラガシ」で、平成元年10月、島根県林業改良普及協会発刊の「島根の巨木」に、樹高28メートルの直幹は大変珍しいと掲載されるほどの希少な巨木です。
「木山さん」と呼ばれる社でも、「天王さん」と呼ばれる社でも素盞鳴尊が祀られ、大東町下佐世の木山さん、今は加茂町東谷の屋裏八幡宮に合祀されている岩倉の元の矢櫃神社のご祭神素盞鳴尊で、岩倉のテンノサンと呼ばれていた。
島根県指定文化財 天然記念物 「貴船神社の椎」の巨木は、左手、愛宕神社参道坂道を上った所です。
木山神社の左手から愛宕神社参道を登ると推定樹齢800年の巨木が現れます。案内板によると800年前に京都から貴船神社を勧請したときにはすでに生えていたそうです。八雲町の椎の巨木にもひけを取らない迫力でした。県の天然記念物に指定されているそうです。
【県指定天然記念物 椎の大木】
この椎の大木は、左の略図に示す如く、樹高約16メートル・胸高周8.4メートル・枝張りは東西南北にほぼ均等に伸び、直径約20メートルの美しい傘状をなしている。
幹幅は、東西3.2メートル・南北2.2メートルであるが、根元は永い年月を風雨にさらされて土が流出し根あがり状になり東西に約10.5メートル・南北約8メートルと根が地面に露出している。
樹令は明らかでないが、この場所が、貴船神社の境内・鶴山公園(通称南加茂公園)の東側北斜面に位置し、当社が元暦年間(1180〜1185)に京都の貴船大明神を勧請したものである事などから推定すると、800年以上経ていると思われる。
また、かつてこの一帯は椎の群落であったが、昭和8年に公園として整備された時この1株だけが保存され、県内稀にみる椎の巨木として昭和58年4月、島根県文化財「天然記念物」に指定された。
平成13年5月設置 加茂町教育委員会
鎮座地:雲南市加茂町南加茂578 |